地方消費税とは何か――消費税の約4割が「地方の財源」になる仕組み

政策
水色 シンプル イラスト ビジネス 解説 はてなブログアイキャッチのコピー - 1

消費税の議論では、「国の税金」「国が集めている税」という印象が先行しがちです。
しかし実際には、消費税の約4割は地方自治体の財源として使われています。
その中心となるのが「地方消費税」です。
本稿では、地方消費税とは何か、どのように集められ、どのように自治体へ配分されているのか、その仕組みだけを整理します。

地方消費税は「消費税の内訳」の一部

現在の消費税率は10%ですが、そのすべてが国の税収になるわけではありません。
この10%のうち 2.2%分が地方消費税 として位置づけられています。
軽減税率が適用される食品の場合(8%)でも、1.76%分が地方消費税 です。

つまり、消費者が支払う消費税の中には、最初から「地方の取り分」が組み込まれている仕組みになっています。

いったん国が集めて、地方に配る

地方消費税という名称から、「都道府県が直接徴収している税」と誤解されることがあります。
実際には、地方消費税も国税と同様に 国がいったん徴収 します。
その後、一定のルールに基づいて、都道府県へ配分されます。

配分基準は、人口や小売販売額など、客観的な指標を用いたものです。
特定の自治体が恣意的に多く受け取れる仕組みにはなっていません。

市町村にも必ず回る仕組み

都道府県に配分された地方消費税は、その 半分を市町村に交付 することが法律で定められています。
そのため、地方消費税は、都道府県だけでなく、市区町村の重要な一般財源にもなっています。

この点が、消費税が「地域全体を支える税」と言われる理由の一つです。

国分の消費税も、実は地方に回っている

消費税のうち、国に帰属する部分(10%のうち7.8%、食品なら6.24%)も、すべてが国の自由に使われているわけではありません。
その一部は、地方交付税の財源として地方に回されます。

地方消費税と、この地方交付税分を合わせると、消費税収全体の約4割が地方財源 になります。
そのため、消費税率の変更は、国だけでなく地方財政にも直接影響します。

地方消費税は「使い道が決まっている」

地方消費税を含む消費税収は、社会保障財源に充てることが原則とされています。
自治体では、受け取った消費税関連財源の多くを、

  • 保育
  • 介護
  • 高齢者福祉
  • 障害福祉
    といった分野に充てています。

自由に使える一般財源ではありますが、実務上は社会保障支出と強く結びついた税収です。

結論

地方消費税は、単なる「国税の一部」ではありません。
消費税の中に組み込まれた、地方自治体の安定的な基幹財源です。

そのため、消費税率の引き下げや特定品目のゼロ税率化は、
国の財政だけでなく、都道府県・市町村の財政運営に直結します。

消費税を議論する際には、「国の税収がどうなるか」だけでなく、
地方消費税という仕組みを通じて、地域の行政サービスがどう支えられているのか
という視点も欠かせません。

参考

・日本経済新聞「食品消費税ゼロなら、地方税収2兆円減 保育・介護サービスに影響」


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました