円安から円高へ? 「強いドル」の揺らぎとNISA・iDeCoの付き合い方

FP
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2025年は「プラザ合意」から40年。かつて各国が協調してドル高を抑えた歴史的な出来事ですが、いま再び「ドルの強さ」が揺らぎ始めています。
為替相場の変化は、私たちのNISAやiDeCoの運用成績に直結します。投資初心者にとっても「ドル一極集中でいいのか?」を考えるタイミングがきています。


為替ってなにがそんなに大事なの?

投資信託や外国株を買うとき、ほとんどの場合「円」を「ドル」に換えて投資します。
たとえば1ドル=160円のときに米国株を買った人が、その後1ドル=140円になったら、同じドル資産でも円に戻すと目減りしてしまうのです。

つまり「ドルが強いか弱いか」は、投資の成果に直結します。株が上がっても、円高が進めば利益が削られる。これが為替リスクです。


トランプ政権と「ドル安」の流れ

現在の米国トランプ政権は「ドル高は良くない」と繰り返し主張しています。
実際、FRB(米国の中央銀行)が利下げに動いたことで、日米の金利差は縮小。結果としてドルは売られやすく、円高に傾きやすい状況になっています。

歴史的円安(1ドル=160円)から今年は140~150円に戻ったのは、この流れの表れです。


NISAでの「ドル一極投資」の落とし穴

新しいNISAでは米国株や米国株中心の投資信託が大人気。S&P500やナスダック連動のファンドを買っている人も多いでしょう。
ただし「米国株が上がった!」と喜んでいても、円高になるとその利益が目減りすることがあります。

例えば

  • 米国株が+10%上昇
  • でも為替が160円→140円に円高(約-12%の影響)
    こうなると、差し引きで「円ベースの成績はマイナス」なんてことも起こり得ます。

iDeCoでも知っておきたいこと

iDeCo(個人型確定拠出年金)で外国株式の投資信託を選んでいる場合も同じです。老後資産を育てているつもりでも、為替の動きで大きく変動することがあります。
長期運用なので短期の円高・円安で一喜一憂する必要はありませんが、偏りすぎるのはリスクです。


初心者でもできる「分散投資」

ではどうすればいいのでしょうか?
ポイントは「ドルだけに頼らない」ことです。

  • ユーロや先進国株式ファンド:ドル以外の通貨にも投資されている
  • 全世界株式ファンド:米国比率が高いとはいえ、欧州や新興国も含む
  • 国内株式や国内債券:為替に左右されない資産

NISAやiDeCoでは、これらを組み合わせることでリスクを減らせます。特にドルとユーロは値動きが逆行しやすいため、分散効果が期待できます。


まとめ ― 「強いドル神話」に頼らない投資を

  • ドルの強さは永遠ではない
  • 為替は資産運用のリターンに直結する
  • NISAやiDeCoも「ドル資産偏重」はリスク
  • 分散投資でリスクを抑える

これからは「ドル一極」ではなく「分散で守る」時代。初心者でもできるのは、NISAやiDeCoで全世界株や先進国株ファンドを選び、バランスをとることです。

為替のニュースを「自分には関係ない」と見過ごさず、日々の投資にもつなげていきたいですね。


📌 参考 日本経済新聞朝刊(2025年9月27日)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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