これまで4回にわたり、中古戸建ての購入におけるポイントを解説してきました。
新築よりも価格を抑えやすい中古住宅は、上手に選べば非常に魅力的な選択肢です。
ただし「安く買う」だけでは不安が残ります。
本記事では、これまでのシリーズを振り返りながら、安心して中古戸建てに住むための総合ガイドとしてまとめます。
第1回のポイント:人気が高まる中古戸建てと住宅診断
- 首都圏の中古戸建て成約件数は急増(2025年4~6月で前年同期比52%増)。
- 新築より価格が抑えられ、土地付きの安心感も魅力。
- 欠陥リスクを減らすために「住宅診断(ホームインスペクション)」が急増。
- 診断費用は9万〜13万円前後で、安心を買うための投資といえる。
第2回のポイント:よく見つかる不具合と補修費
- 外壁・屋根の劣化(塗装・コーキングの割れなど):80万〜200万円
- 床下・屋根裏の問題(断熱材はがれ・シロアリ被害など):数万円〜60万円
- 設備の寿命(給湯器・キッチン・浴室など):15万〜150万円
👉 補修費は数十万〜数百万円に及ぶことも。
👉 診断結果を踏まえて「購入価格+修繕費」を合計した総額で判断するのが賢明。
第3回のポイント:中古住宅で使える税制優遇
- 住宅ローン控除:築25年以内の木造、または耐震証明があれば適用可能。
- 耐震リフォーム控除・固定資産税減額:改修後の優遇制度も活用できる。
- 補助金制度:国や自治体による耐震改修・省エネ改修の助成(数十万〜200万円)。
- 不動産取得税・登録免許税の軽減措置も見逃せない。
👉 「古いから対象外」と諦めず、耐震証明やリフォームをセットにして優遇を取りに行くのがコツ。
第4回のポイント:メンテナンス計画とライフプラン
- 住宅は「買って終わり」ではなく「維持していく資産」。
- 外壁・屋根は10〜15年、給湯器は10〜15年、キッチンや浴室は15〜25年で更新時期。
- 維持費は「購入価格の1〜2%を年間積立」が目安。
- 修繕費とライフイベント(子どもの進学・定年退職・介護など)を重ねて計画を立てることが重要。
👉 ライフプランと一体化した「住宅修繕資金計画」を立てることが安心につながる。
総合まとめ:中古戸建て成功のステップ
- 住宅診断を必ず実施(売り主が拒否する物件は避ける)
- 補修費を含めた総予算を把握(購入価格だけで判断しない)
- 税制優遇や補助金をフル活用(耐震証明やリフォームで対象を広げる)
- メンテナンス費を積立(長期的な修繕費用を計画的に準備)
- ライフプランとリンク(教育資金・老後資金とバッティングしないように)
おわりに
中古戸建ては「価格が手頃だから」だけでなく、診断・税制・ライフプランの3点セットを意識してこそ、安心して長く暮らせる住まいになります。
これから中古住宅を検討する方にとって、本シリーズが少しでも参考になれば嬉しいです。
📌 参考:
日本経済新聞朝刊(2025年10月4日付)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

