中古住宅は、新築に比べて購入価格が抑えられる分、「購入後の維持管理」 が非常に重要になります。住宅は一度買って終わりではなく、長く住むほどメンテナンスの積み重ねが必要です。今回は、住宅診断や税制優遇の次のステップとして、購入後に考えるべきメンテナンス計画とライフプラン上の工夫を解説します。
住宅は「消耗品」でもある
どんな家でも、時間とともに劣化は避けられません。特に戸建ては、マンションのように管理組合が修繕してくれるわけではないため、自己管理が基本になります。
代表的なメンテナンス周期は以下のとおりです。
- 外壁塗装・屋根修理:10〜15年ごと
- 給湯器交換:10〜15年
- 水回り(キッチン・浴室)リフォーム:15〜25年
- シロアリ防除:5〜10年ごと
【FP視点】
「いつ、いくらかかるか」を把握して、計画的に積立することが家計管理のカギです。
メンテナンス費用の目安
一般的に、戸建て住宅の維持管理費は購入価格の1〜2%を毎年積み立てるのが目安と言われます。
例)購入価格2000万円の中古戸建てなら…
- 年間20万〜40万円
- 10年で200万〜400万円程度
もちろん実際には、毎年細かく出ていくわけではなく、数年に一度まとまった出費があります。そのため「住宅修繕費」として口座を分けて積み立てると安心です。
ライフプランとリンクさせる
住宅のメンテナンス計画は、家計全体のライフプランと切り離せません。
- 子どもの進学資金と重なる時期
- 定年退職前後の収入減少期
- 親の介護や二世帯同居の可能性
これらのライフイベントと修繕時期がぶつかると、家計に大きな負担になります。
FPとしては、「ライフプラン表+住宅修繕スケジュール」 を一体で考えることを強くおすすめします。
メンテナンスを前提にした「住み替え」判断
中古戸建ては築年数が進むと、修繕費が高額化していきます。
- 大規模修繕をして住み続けるのか
- 子どもが独立したら住み替えるのか
- 老後はバリアフリー住宅やマンションに移るのか
「どの時点で家に投資し、どの時点で住み替えるか」を考えておくことも大切です。
まとめ
中古戸建ては「買ったら終わり」ではなく、購入後こそがスタートです。
- 外壁や屋根など、定期的なメンテナンスが必要
- 維持費は年間20万〜40万円を目安に積み立てる
- 修繕計画をライフプランと重ねて考えることが重要
- 将来の住み替えも含めた選択肢を早めに描く
FPの立場から言えば、住宅は人生100年時代の家計の大きな資産であり負担でもある存在です。メンテナンス計画とライフプランをリンクさせることで、安心して住み続けられる暮らしが実現します。
👉 次回はいよいよ最終回。「まとめ総集編」として、中古戸建て購入から診断・税制・ライフプランまでを一気に振り返ります。
📌 参考:
日本経済新聞朝刊(2025年10月4日付)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
