中古戸建て住宅を購入する人が増えていますが、価格だけでなく「税制優遇をどこまで活用できるか」も大切な視点です。新築よりも制度が限られる部分はありますが、要件を満たせば住宅ローン控除(住宅ローン減税)や各種補助金を受けられるケースも多いです。今回は、中古住宅購入に関連する主要な税制優遇を整理します。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)
仕組み
住宅ローン控除は、一定の条件を満たす住宅ローンを利用した場合に、年末ローン残高の0.7%を所得税や住民税から控除できる制度です。
中古住宅での適用要件
中古の場合、新築より条件がやや厳しくなっています。代表的な要件は次のとおりです:
- 床面積:50㎡以上(合計所得が1000万円以下なら40㎡以上でも可)
- 耐震性能:
- 築25年以内の木造住宅
- 築25年超でも、耐震基準適合証明書や既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書があれば対象
- 返済期間:10年以上
【ポイント】
「築古だけどリノベ前提で買う」場合も、耐震証明を取れば控除対象になる可能性があります。
耐震リフォームと税制優遇
中古住宅で特に注目されるのが「耐震性」。
一定の耐震リフォームを実施した場合には、以下の優遇が使えます。
- 住宅ローン控除の対象拡大(リフォーム後に適用)
- 固定資産税の減額措置(工事翌年の固定資産税が半額になるケースあり)
- 所得税の特別控除(耐震改修促進税制:最大25万円の控除)
【FP視点】
築30年以上の戸建ては耐震性がネックになりがちですが、リフォーム+証明取得で控除や補助が使えれば、トータルコストを抑えられます。
補助金制度の活用
中古住宅購入では、国や自治体の補助金・助成金を併用できるケースがあります。
主な制度例
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
リフォームで一定の性能基準を満たせば、最大200万円の補助。 - 自治体の耐震改修補助
東京都や横浜市など、多くの自治体で耐震改修費用の一部を助成。 - ZEHリノベ補助金
省エネ改修を行うと補助金が出るケースあり。
【注意点】
補助金は年度ごとの予算に左右されるため、購入前に自治体のサイトで最新情報を確認しましょう。
その他の優遇
- 登録免許税の軽減
所有権移転登記の税率が軽減される場合あり。 - 不動産取得税の軽減
床面積や築年数条件を満たすと減額措置が受けられる。
これらは「知らなかったから払ってしまった」という例が多く、事前確認が肝心です。
まとめ
中古住宅購入時も、要件を満たせば次のような税制優遇が利用できます。
- 住宅ローン控除(耐震証明がカギ)
- 耐震リフォーム控除や固定資産税減額
- 国や自治体の補助金制度
- 登録免許税・不動産取得税の軽減措置
中古住宅は購入価格が抑えられる分、リフォームや修繕費に予算を割く必要があります。そこで税制優遇を組み合わせると、実質的な総コストを下げつつ、安心して住み続けられる家づくりが可能になります。
👉 次回は「購入後のメンテナンス計画とライフプラン(FP視点)」について解説します。
📌 参考:
日本経済新聞朝刊(2025年10月4日付)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
