かつて不動産投資といえば、アパートやマンションを丸ごと購入し、自ら運営・管理して家賃収入を得るスタイルが主流でした。
しかし近年は、テクノロジーや金融商品の発展により、「新しい形の不動産投資」 が次々に登場しています。
今回は、その中でも注目度が高い サブリース、クラウドファンディング型投資、海外REIT を取り上げ、投資家目線で整理していきます。
1. サブリース ― 家賃保証型の不動産投資
仕組み
不動産会社に一括で物件を借り上げてもらい、オーナーは空室の有無に関わらず毎月の賃料を受け取れる方式です。
メリット
- 安定収入:空室リスクを回避できる
- 管理負担が軽い:入居者募集・対応は不動産会社が代行
リスク・注意点
- 契約更新時に保証賃料が減額されることがある
- 中途解約条項や修繕負担の範囲をよく確認する必要あり
👉 サブリースは「安定志向だが、利回りはやや低め」で、ローリスク・ローリターンを好む投資家に向きます。
2. クラウドファンディング型不動産投資 ― 少額から参加できる時代へ
仕組み
インターネットを通じて複数の投資家から資金を集め、不動産を運用。投資家は分配金を受け取ります。
メリット
- 少額から投資可能(1万円〜)
- 案件ごとに期間・利回りが明示されており分かりやすい
- 優先劣後構造により、元本保全の工夫があるケースも
リスク・注意点
- 運営会社の財務基盤や過去実績に左右される
- 流動性が低く、途中換金できないことが多い
👉 手軽に始められる反面、案件選びの目利き力が必要。初心者の最初の一歩に適した手法です。
3. 海外REIT ― 世界の不動産市場に分散投資
仕組み
REIT(不動産投資信託)を通じて、海外のオフィスビル・商業施設・物流施設などに投資。証券会社から株式同様に購入可能です。
メリット
- 世界中の不動産に分散投資できる
- 国ごとに成長分野(米国:物流、シンガポール:データセンター等)にアクセス可能
- 高配当が期待できる国もある(米国REITは平均4〜6%台)
リスク・注意点
- 為替リスク(円高時に分配金の価値が目減り)
- 各国の金利動向や政策の影響を受けやすい
- 国内REITより値動きが大きい
👉 海外REITは、成長性と配当利回りを同時に狙える一方、リスクも高め。ポートフォリオのスパイス的に活用するのがおすすめです。
まとめ
- サブリース:安定志向・手間をかけたくない人向け
- クラウドファンディング:少額から手軽に、初心者が一歩を踏み出すのに最適
- 海外REIT:分散投資と成長性を取り込みたい人向け
不動産投資は「一棟買い」だけの時代から、目的やリスク許容度に応じて選べる時代になりました。
ご自身の資産ポートフォリオの中で、どの位置づけで不動産を組み込むか――。
この視点を持つことが、長期的に安定した資産形成への第一歩になります。
📖参考
「底地ビジネス」10兆円市場:日本経済新聞(2025年9月29日付)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
