2026年2月初旬、ビットコイン価格が一時7万4000ドル台まで急落しました。
背景には、米国の金融政策を巡る観測変化と、金・銀など貴金属市場の急落があります。
これまで「デジタルゴールド」とも呼ばれてきたビットコインですが、今回の値動きは、その位置付けを改めて考えさせるものとなりました。
本稿では、今回の急落の要因と市場の構造、そして投資家が注意すべき視点を整理します。
ビットコイン急落の直接的なきっかけ
今回の下落局面で市場が強く反応したのが、米連邦準備制度理事会(FRB)次期議長人事を巡る動きです。
次期議長に指名されたケビン・ウォーシュ氏は、金融引き締めに前向きな「タカ派」と見なされています。
ビットコインは、FRBの利下げ期待とともにリスクマネーが流入し、価格を押し上げてきました。
その前提が揺らいだことで、「金融環境が再び引き締まるのではないか」という警戒感が一気に広がりました。
金・銀の急落が示した「連動性」
同時期に、金や銀といった貴金属価格も大きく下落しました。
ビットコインは供給量に上限がある点などから、しばしば「デジタルゴールド」と表現されます。
しかし今回の局面では、
- 金が下落
- リスク回避姿勢が強まる
- ビットコインも連想的に売られる
という流れが鮮明でした。
安全資産とされる金と、価格変動の大きい暗号資産が同時に売られたことは、ビットコインが依然として「リスク資産」として扱われている現実を示しています。
「企業保有」という新たな不安要因
近年の特徴として、ビットコインを大量保有する企業の存在があります。
米国では、ビットコイン投資で知られるストラテジー社が代表例です。
同社の平均取得価格は約7万6000ドルとされており、今回の下落局面では一時的に含み損に転じました。
企業が保有主体となることで、
- 財務悪化を嫌った売却
- それを見た市場参加者の追随売り
といった「売りが売りを呼ぶ構造」が生まれやすくなります。
個人投資家中心だった時代とは、相場の性格が変わりつつある点には注意が必要です。
マクロ環境とビットコインの関係
今回の下落を整理すると、ビットコイン価格は以下の要因に強く左右されています。
- 米国金融政策(利下げか、引き締めか)
- 金利水準とドル動向
- 金・銀など他資産との相対的な魅力
- 企業・機関投資家の行動
つまり、ビットコインは「独立した価値貯蔵手段」というより、マクロ経済の影響を強く受ける金融資産として振る舞っています。
結論
今回のビットコイン急落は、単なる価格調整ではありません。
「デジタルゴールド」という分かりやすいイメージの裏で、
- 金融政策
- 金利
- 機関投資家の行動
といった現実的な要因に大きく左右されていることが、改めて浮き彫りになりました。
価格の上下だけで判断するのではなく、
ビットコインがどの局面で、どの資産と同じ動きをしやすいのか
この視点を持つことが、今後ますます重要になりそうです。
参考
日本経済新聞
「ビットコインも急落 貴金属市場荒れ、売り拍車」(2026年2月3日朝刊)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
