〜子どもの将来とどう向き合うか〜
子育て世帯にとって大きな関心事は「教育資金」です。文部科学省や日本政策金融公庫の調査によれば、大学までにかかる教育費は次のように見積もられています。
- 公立小中高+国公立大学:約1,000万円
- 公立小中高+私立大学:約1,300万円
- 私立中高一貫+私立大学:約2,000万円以上
子どもが2人、3人となればその負担は倍々で膨らみます。世帯年収が高いパワーカップルであっても、教育費は無視できない大きな出費となります。
パワーカップルならではの強み
パワーカップル世帯には、教育資金づくりにおいて次のような強みがあります。
- 計画的な積立余力
高い世帯収入を活かし、毎月一定額を学資用に積み立てることが可能です。 - 複数の制度をフル活用できる
- ジュニアNISA(〜2023年で終了、既存枠は継続運用可)
- 新NISAを親が運用して教育資金に充当
- 贈与税の教育資金非課税制度(祖父母からの援助)
- リスク許容度の高さ
老後資金と並行しながらも、教育資金はある程度の投資リスクをとれるケースが多いのも特徴です。
「時間を買う」発想で教育投資も
第1回で触れた「お金で時間を買う」という発想は、教育分野でも活かせます。
- 家事代行や食事宅配を利用し、浮いた時間を子どもとの学びに使う
- 習い事や留学といった「経験への投資」に積極的になる
こうした行動は、単に学費を払う以上に、子どもの将来の選択肢を広げる投資といえるでしょう。
教育資金と老後資金の両立
注意すべきは「教育資金に偏りすぎないこと」です。
教育費にお金をかけすぎると、老後資金が手薄になり「下流老人」リスクにつながります。
- 子どもに必要な分は早めに試算
- 「奨学金」「教育ローン」なども選択肢に
- 老後資金は並行して積み立てる
このバランス感覚が、人生100年時代の家計管理には不可欠です。
まとめ
パワーカップルだからこそできる教育投資は大きな魅力です。しかし「子どもの未来」と「自分たちの老後」の両立が最重要テーマになります。
人生100年時代のライフプランは、教育資金と老後資金を両輪として設計すること。
そのうえで、夫婦共に働き続けるキャリア戦略が、結果的に子どもたちにも安心を与えることにつながります。
📌参考:2025年9月7日付 日本経済新聞朝刊
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
