ガソリン税の「旧暫定税率」がついに廃止へ 石油価格高騰の時代に、家計と企業に何が起きるのか

政策
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ガソリン税に長年上乗せされてきた「旧暫定税率」が、ついに廃止されます。これまで1リットル当たり25.1円(軽油は17.1円)が上乗せされてきた負担が、法改正によって順次なくなる方向となりました。ガソリン価格の高止まりが続く中、家計負担の軽減策として注目されています。

一方で、税収減に対する財政面の影響や、今後のエネルギー政策との整合性などの論点も残されており、単純に「安くなる」だけでは語れない面もあります。
本稿では今回の法案のポイントと私たちの生活への影響を整理します。

1.今回の法案のポイント

27日の参院財政金融委員会で、旧暫定税率の廃止を定めた議員立法の法案が全会一致で可決されました。翌28日の参院本会議で成立する見通しです。

法案の内容は次の通りです。

  • ガソリン税の旧暫定税率:1リットル当たり25.1円を廃止(2025年12月31日)
  • 軽油引取税の旧暫定税率:1リットル当たり17.1円を廃止(2026年4月1日)

この旧暫定税率は、道路特定財源の不足を補うため1970年代以降、恒久的に“暫定”として上乗せされてきたものです。

2.なぜ今、旧暫定税率を廃止するのか

背景には、以下の3つの要因があります。

(1) 家計負担の軽減

2022年以降の原油高・円安により、ガソリン価格は高水準が続いてきました。補助金による「ガソリン補助」が段階的に縮小される中、価格を根本から下げるための恒久的な措置を求める声が強まっていました。

(2) 超党派の合意形成

8月に野党が提出した法案は時間切れとなりましたが、その後**与野党6党(自民・維新・立憲・国民・公明・共産)**が修正案を共同で提出する形でまとまりました。政治的にも「国民負担の軽減」を掲げやすいタイミングであったことも影響しています。

(3) 税制の透明性と簡素化

旧暫定税率は「暫定」とされながら半世紀近く維持されてきたため、税体系が分かりにくい要因にもなっていました。今回の廃止は税体系の整理を進める面もあります。

3.ガソリン価格はどれくらい下がるのか?

理論上は次の通りです。

  • ガソリン:−25.1円/ℓ
  • 軽油:−17.1円/ℓ

ただし実際の値下げ幅は次の要因で変動します。

  • 元売り・小売の価格設定
  • 地域差
  • 補助金の縮小の影響
  • 原油市場・為替の変動

「必ず25.1円安くなる」というわけではありませんが、従来より 1ℓあたり数十円規模で軽減される方向です。

4.財政への影響と今後の論点

旧暫定税率の廃止は大きな税収減につながります。

  • ガソリン税の税収:約2.2兆円/年
  • 暫定税率部分も含めるとさらに大きい規模

これをどのように補うのかは、今後の大きな政策論点となります。

主な論点は次の通りです。

(1) 一般財源化された道路関連税の扱い

道路整備財源の確保をどうするか。

(2) エネルギー政策との整合性

脱炭素の流れの中でガソリン税の減税は逆行するのでは?という声もあります。

(3) 地方財政への影響

軽油引取税は地方税であるため、地方自治体の財源にも直結します。

政治判断と財政との綱引きは今後も続く見通しです。


結論

ガソリンの旧暫定税率の廃止は、長年続いてきた“暫定”税制に大きな区切りをつけるものです。家計や企業の負担軽減につながる一方、道路財源や脱炭素政策との整合性など、今後の制度設計には慎重な検討が必要です。

価格は即座に25.1円下がるわけではありませんが、補助金依存からの脱却を含め、ガソリン価格のあり方を大きく見直す流れが始まりました。

私たちの生活にも直結するテーマですので、制度の動きを継続してウォッチしていきたいと思います。


出典

  • 日本経済新聞「ガソリン減税法案きょう成立へ」(2025年11月28日付)
  • 財務省・国土交通省資料(ガソリン税・軽油引取税の構造)
  • 国会提出法案関連資料

という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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