<記載日:2025年9月5日>
前回の記事の最後に…
「家計防衛のためには「クルマの使い方」そのものを見直す時代が来ているということでしょうか…。」
と書かせていただきました。
ということで、今回は「カーライフと税金の未来予測 2025-2040」ー自動運転、MaaS、EV普及が税制に与えるインパクトを考えてみます。
1.2025年時点の状況
現時点では、日本のカーライフと税制は以下のような構造です。
・ガソリン車:ガソリン税+炭素税+消費税が主な負担
・EV:重量税・自動車税が中心(燃料税負担なし)
・財源の多くは道路整備・維持費に充当
しかし、EV普及、自動運転、Maas (Mobility as a Service)の台頭により、この構造は大きく変わっていくと予想されます。
2. 2030年に向けた変化
・EV 普及率の上昇
政府目標では 2035年までに新車販売の100%を電動車へ(2035年問題)。
2030年時点で5~6割に到達する可能性あり。
・自動運転レベル4(限定地域)の実用化
物流・公共交通分野での導入が進み、人の移動スタイルが変化。
・走行距離課税の本格導入
ガソリン税減収対策として制度化される可能性大。
・炭素税の増税
国際的な脱炭素圧力を受け、炭素1トンあたりの課税額引き上げが想定される。
3. 2040 年のカーライフと税制シナリオ
<シナリオ A>走行距離課税+炭素税の二本柱
・ガソリン車はほぼ消滅
・EV・燃料電池車も走行距離に応じて課税
・炭素排出が残る車種や発電方法には追加課税
<シナリオB>利用時間課税(Maas モデル)
・Maasが主流化し、車は「所有」から「利用」へ
・利用時間・距離・エリアごとに課金(電動バス・自動運転タクシーなど)
・道路混雑や環境負荷の少ない利用には割引制度も
<シナリオC>データ連動型課税
・車両のセンサーやGPS データからリアルタイムで課税額を計算
・保険料・税金・道路利用料を一体化
・AIが最適ルート提案と課税計算を同時に行う
4.家計への影響
・所有コストの低下+利用コストの上昇
車両価格は低下するが、使うごとに課税や利用料が発生するため、使い方次第で総コストが増える可能性も。
・固定費から変動費へのシフト
自動車税や保険料の定額負担は減り、距離や時間に応じた変動型負担へ。
・節約行動の変化
燃費重視から「走行距離の最適化」「利用時間の短縮」重視へ。
5. 今からできる備え
①カーライフの総コスト把握
税金・燃料・保険・メンテ費用を含めた長期的なシミュレーションを行う。
②車所有の選択肢を見直す
都市部では所有からシェア・サブスクへ、地方でも複数台所有から1台化を検討。
③税制改正情報に敏感になる
新課税導入時は経過措置や補助金がある場合が多く、早期行動が有利。
④移動コストの最適化スキルを身につける
ルート選択、混雑回避、低課税エリア利用など、データ活用節約が重要。
6. まとめ
2025~2040年の間に、車と税金の関係は「所有にかかる税」から「利用に応じた税」へと大きくシフトしていくでしょう。
自動運転・Maas・EV普及は、便利さと引き換えに利用課税型の時代を加速させます。
これからのカーライフは、購入価格よりも「利用時の課税とコスト管理」が鍵になります。
税制の変化を先読みし、自分の生活に合った移動スタイルを早めに設計しておくことが、家計を守る最大の防策です。
ということで、今回は以上とさせていただき、次回は「マイカーから Maasへ一所有から利用への転換がもたらす税制大改革」をテーマに、車社会の構造変化と税金の新ルールを考えます。
次回以降も、よろしくお願いいたします。