2026年、日本で約9年ぶりにMMF(マネー・マーケット・ファンド)が復活します。
長らく消えていた商品が再び登場するのは、私たちの家計や資産運用にとっても大きなニュースです。
本シリーズでは全5回にわたってMMFを解説してきました。ここではその内容を一気に振り返ります。
第1回:MMFとは何か? ~預金と投資の間の存在~
- 投資信託の一種だが、国債や短期社債など「低リスク資産」で運用
- 預金より利回りが高く、株式よりリスクが小さい「中間的な商品」
- 2000年代には年0.5%前後の利回りで人気を集めた
第2回:なぜ消え、なぜ復活するのか?
- 2016年、日銀の「マイナス金利政策」で利回りが消滅 → 各社販売停止
- 2024年、マイナス金利解除・政策金利0.5%へ
- 10年国債利回り1.6%台、物価上昇率3%、春闘で34年ぶりの高賃上げ
- 「金利ある世界」へ転換したことでMMFが再び成立
第3回:進化するMMF ~ブロックチェーンとデジタル化~
- 日本では「Progmat(プログマ)」というシステム基盤を活用
- 米国ではすでに「デジタルMMF」が普及
→ 分配の自動化、1日複数回の利息支払いも可能 - 日本でもデジタルMMF導入に向けて法的整理が完了
第4回:家計にどう役立つのか?
- 預金より利回りが高い(0.2% → 0.5%前後期待)
- 個人向け国債・定期預金との使い分けがカギ
- 「生活防衛資金の一部」や「待機資金の置き場」に最適
- 投資初心者の「一歩目」としても利用できる
👉 注意点:
- 元本保証なし(法律上は投資信託)
- ペイオフ対象外
- 利回りは金利情勢で変動
第5回:まとめと今後の展望
- MMF復活は「金利ある世界」の象徴
- 預金・国債・社債・MMFを組み合わせる資産管理へ
- デジタル化により利便性と透明性が向上
- 投資初心者からプロまで幅広く利用される可能性
総まとめ
MMFは、
- 預金よりも利回りが高い
- 投資よりもリスクが低い
という絶妙なバランスを持つ金融商品です。
2016年に消えたのは「金利ゼロの時代」だったから。
そして2026年、インフレや金利上昇を背景に、MMFは新しい姿で復活します。
これからの家計管理は「お金をただ預ける」から「お金を少しでも働かせる」時代へ。
MMFはその第一歩を後押しする存在になるでしょう。
📌 参考:
国内MMF、9年ぶり復活(日本経済新聞 2025年10月2日)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO91675410S5A001C2MM8000/
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

