ふるさと納税は、全国の自治体へ寄付し、実質負担2000円で返礼品が受け取れる人気の制度です。しかし、2025年10月の制度改正で「ポータルサイトによるポイント還元」が全面禁止され、これまでの“二重取り”の仕組みは大きく変わりました。
それでも、制度自体のメリットが失われたわけではありません。
むしろ、返礼品の選び方やポイント活用の仕方を工夫することで、以前と変わらず、あるいはそれ以上に家計にプラスの効果を得ることができます。
本総集編では、シリーズ第1〜5回で解説した内容を横断的にまとめ、2025年以降の新しいふるさと納税の“最適な使い方”を一気に整理します。
1. ポイント還元禁止の“本当の”影響
2025年10月改正で禁止されたのは、ポータルサイトが寄付に対して自社ポイントを付与する仕組みです。
【禁止対象】
- さとふるのポイント付与
- 楽天ふるさと納税の楽天ポイント付与(寄付ポイント分)
- ふるなびコイン など
【禁止されないもの】
- クレジットカードの通常ポイント
- 共通ポイントを“支払いに使う”こと
- 寄付額の比較をして安いサイトを選ぶこと
つまり、寄付に対するポイントはなくなりましたが、
節約の余地は依然として大きく残っています。
2. 手続きと控除の仕組みは変わらない
制度改正はあっても、控除の仕組みは従来どおりです。
控除を受ける方法
① ワンストップ特例制度(翌年1月10日まで申請)
② 確定申告(2〜3月)
注意点
- ワンストップは5自治体以内
- 医療費控除・住宅ローン控除がある年は確定申告必須
- 年末の寄付は“申請書が期限に間に合わない”リスクあり
- 控除限度額は“住民税所得割額の2割”が上限
制度の恩恵をしっかり受けるには、手続きミスを防ぐことが最重要です。
3. 共通ポイントを使って“実質負担をゼロ”も可能に
ポイント還元が廃止されても、
共通ポイントを寄付金の支払いに充当することは可能です。
利用できるポイント
- 楽天ポイント
- dポイント
- Pontaポイント
- PayPayポイント
- Vポイント(2025年中に対応予定)
特に強力な施策
- dポイント:10%増量キャンペーン
- Pontaポイント:最大1.5倍の増量交換(au PAY マーケット限定)
例)2,000P →(増量交換)→ 3,000P → ふるさと納税に使用
→ 寄付額3,000円分が“実質2,000ポイント”で可能
増量施策を使えば、ふるさと納税の実質負担を大幅に下げられます。
4. 返礼品選びは“生活費が下がるもの”が最強
返礼品は、単に「欲しいもの」よりも “家計の支出が減るもの” を基準に選ぶと満足度が高くなります。
家計の節約に直結する品
- トイレットペーパー/洗剤/ティッシュ
- コメ・肉・魚介の定期便
- 飲料水・炭酸水・お茶
- 冷凍食品・総菜セット
旅行やレジャー費の節約
- 宿泊券
- 温泉利用券
- 体験型(漁業体験・料理体験・工房体験)
- 地域企業のサブスクサービス
新しい返礼品の方向性
- 電力・ガス会社のポイント返礼品
- 工場見学・ワークショップ
- サービス型返礼品(地域の体験・文化コンテンツ)
返礼品は“地場産品”に限定されるため、自治体が自信を持って提供する商品・サービスが多い点も魅力です。
5. サイト比較で節約効果がさらに大きくなる
返礼品の中身が同じでも、寄付額が異なるケースが多々あります。
特に比較したいポイント
- Amazonふるさと納税:寄付額が低めの返礼品特集あり
- 自治体公式サイト:寄付額が安い・内容が豪華な場合がある
- ポータル間の寄付額の差は数千円になることも
ポイント還元がなくなった今、
寄付額の比較がそのまま節約につながる時代 になりました。
6. 今後の制度改正も“返礼競争の抑制”が中心
これまでの制度改正を見ると、方向性は一貫しています。
【今後起こりうる改正】
- 返礼品の基準のさらなる統一
- 加工品の地場産要件の詳細化
- 自治体公式サイトの強化
- 返礼品競争の抑制
- 控除限度額の見直し議論
大きな変更があったとしても、
“ルールを守っている自治体の返礼品を選ぶ”
という基本姿勢はこれからも変わりません。
結論
2025年の制度改正でポイント還元は廃止されましたが、ふるさと納税の魅力は決して失われていません。
むしろ、
- クレジットカードの通常ポイント
- 共通ポイントの充当
- 増量交換キャンペーンの活用
- サイト比較
- 家計に役立つ返礼品の選択
といった工夫次第で、これまで以上に賢く活用できる制度になっています。
ふるさと納税は、
「制度の仕組み」「控除の手続き」「返礼品の選び方」
の3つを押さえれば、家計にとって頼もしいパートナーになります。
毎年の制度改正を確認しながら、自分らしい“節税×生活の豊かさ”を実現していきましょう。
出典
・総務省 ふるさと納税制度資料
・日本経済新聞 ふるさと納税特集
・主要ポータルサイト・自治体公式サイト
・dポイント/Pontaポイント/楽天ポイント 各社資料
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

