確定申告は、申告書を作り終えた時点で「終わった」と感じがちです。
しかし、実務上のトラブルの多くは、提出直前の確認不足や期限後の対応誤りから生じています。
特に会社員や年金世代の方は、
- 毎年申告するわけではない
- 制度改正があっても実感しにくい
という事情から、「去年と同じ感覚」で提出してしまいがちです。
この記事では、提出前に必ず確認しておきたいポイントと、期限を過ぎた場合のリスクを整理します。
提出前に必ず確認したい基本事項
まず、申告書そのものについて、次の点を確認します。
- 郵便番号、住所、氏名、フリガナ
- マイナンバーの記載漏れ
- 生年月日の元号・数字の入力
- 電話番号の記載
これらは計算以前の問題ですが、意外と修正が多い項目です。
e-Taxの場合でも、入力内容に誤りがあれば、後日連絡が入ることがあります。
控除関係で特に多い見落とし
次に、控除関係です。以下は特に注意が必要です。
- 配偶者控除・扶養控除の氏名、生年月日、マイナンバー
- 控除額の自動計算結果が改正後のものになっているか
- 医療費控除や寄附金控除の入力漏れ
前年の申告データを引き継いでいる場合、
家族構成や所得状況が変わっていないかを必ず確認してください。
復興特別所得税の計算漏れ
復興特別所得税は、所得税額に対して自動的に計算されます。
自動計算されるため意識されにくいのですが、手計算や一部修正を行った場合に漏れが起きやすい項目です。
申告書上で、
- 所得税
- 復興特別所得税
の両方が計算されているかを確認します。
還付金の受取方法の確認
還付がある場合には、次の点も重要です。
- 振込先口座が申告者本人名義になっているか
- 公金受取口座を希望する場合、マイナポータルで登録済みか
口座情報の誤りは、還付の遅れにつながります。
「去年と同じだから大丈夫」と思い込まず、毎年確認することが大切です。
添付書類・データの確認
e-Taxの場合でも、
- 医療費控除の明細
- 寄附金控除の証明書情報
- 譲渡所得や株式取引の明細
など、入力またはデータ送信が必要な書類があります。
特に、
- 医療費通知を使っていない医療費
- 年間寄附額証明書に含まれていない寄附
がないかは、最後にまとめて確認しましょう。
郵送提出の場合の注意点
郵送で提出する場合には、次の点に注意が必要です。
- 申告書控えは自分で保管する
- 収受日付印は押されない
- 提出年月日の記録を残す
また、税務署の内部事務のセンター化により、
郵送先が従来と異なる場合があります。
必ず最新の提出先を確認してください。
期限内申告が原則
確定申告には期限があります。
期限内に申告しなかった場合、
- 無申告加算税
- 延滞税
が課される可能性があります。
また、青色申告の場合、
期限後申告では65万円控除や55万円控除が受けられなくなる点も重要です。
「還付申告」は5年間可能
一方で、還付を受けるための申告については、
申告期限から5年間提出することができます。
ただし、
- 証明書の紛失
- 記憶の曖昧さ
といった問題が起きやすくなるため、
還付申告であっても早めに行う方が安全です。
確定申告は「提出して終わり」ではない
確定申告は、提出した時点で一区切りですが、
- 領収書の保存
- 証明書の保管
- 申告内容の控え
といった管理は、その後も続きます。
特に、医療費の領収書や帳簿関係は、
税務署から求められた場合に提示できるよう、整理して保管しておく必要があります。
まとめ
確定申告で大切なのは、
「難しい計算をすること」ではなく、
期限を守り、基本的な確認を丁寧に行うことです。
このシリーズで整理してきたポイントを踏まえれば、
会社員・年金世代の方でも、確定申告を過度に恐れる必要はありません。
必要なときに、必要な申告を、落ち着いて行う。
それが、確定申告と上手に付き合う一番の近道です。
参考
- 国税庁「令和7年分所得税及び復興特別所得税の確定申告のポイント」
- 国税庁 確定申告手続に関する各種解説資料
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
