e-Taxやスマホ申告と並んで、近年の確定申告でよく耳にするのが「マイナポータル連携」です。
「自動で入力されるなら楽そう」と感じる一方で、「本当に全部合っているのか不安」という声も少なくありません。
マイナポータル連携は、確定申告を大きく効率化する仕組みですが、完全にお任せできるものではありません。
この記事では、マイナポータル連携で何が自動化されるのか、そして最終的に自分で確認すべきポイントを整理します。
マイナポータル連携とは何か
マイナポータル連携とは、マイナンバーカードを使って、確定申告に必要な各種データを一括取得し、申告書に自動入力する仕組みです。
連携できる主な情報には、次のようなものがあります。
- 医療費の支払情報
- ふるさと納税などの寄附金情報
- 公的年金等の源泉徴収情報
- 給与所得の源泉徴収情報
これまで紙の証明書を見ながら1件ずつ入力していた作業が、大幅に省略されます。
「入力作業」が減ることの意味
マイナポータル連携の最大のメリットは、入力ミスが減ることです。
金額の転記間違いや入力漏れは、確定申告で最も多いトラブルの一つです。
自動入力されたデータは、証明書の記載内容と一致しているため、
「計算は合っているが、数字を書き間違えていた」という事態を防ぐ効果があります。
特に医療費や寄附金の件数が多い方ほど、連携の効果は大きくなります。
すべてが自動で入るわけではない
一方で、注意したいのは「何でも自動で入るわけではない」という点です。
マイナポータル連携は、
- 情報提供の対象となっている
- 事前に連携設定が完了している
これらの条件を満たしたものだけが対象となります。
たとえば、
- 一部の医療機関の支払情報
- 連携対象外の寄附先
- 連携設定が間に合わなかった年金情報
こうしたものは、自動入力されない場合があります。
自動入力されても「確認」は必須
マイナポータル連携を利用していても、最終的な責任は申告者本人にあります。
自動入力された内容について、次の点は必ず確認しましょう。
- 医療費の合計額が実感と大きくズレていないか
- ふるさと納税の件数や金額に漏れがないか
- 年金や給与の収入が重複していないか
自動入力は「下書きが完成する」イメージであり、確認と調整は人の役割です。
医療費通知とマイナポータル連携の関係
医療費控除では、「医療費通知」を使う方法と、明細書を作成する方法があります。
マイナポータル連携で取得した医療費通知情報は、
- 明細書作成の省略
- 領収書保存の負担軽減
といった点で有効です。
ただし、高額療養費などの補填がある場合は、差し引く処理を自分で行う必要があります。
ここは自動化されないため、見落としやすいポイントです。
ふるさと納税は「連携しても油断しない」
ふるさと納税についても、マイナポータル連携は便利ですが注意が必要です。
特に、
- ワンストップ特例を申請したが確定申告を行う場合
- 年間寄附額証明書を利用する場合
こうしたケースでは、制度の理解がないと控除漏れが起きやすくなります。
連携されたデータがあるからといって、控除の適用関係まで自動で判断してくれるわけではありません。
事前設定は「早め」が基本
マイナポータル連携は、申告直前に設定しようとすると間に合わないことがあります。
情報の取得には時間がかかる場合があり、申告期限が迫ってからでは焦りがちです。
確定申告を予定している場合は、
- 連携設定が済んでいるか
- どの情報が取得対象か
これを早めに確認しておくことが重要です。
マイナポータル連携は「補助輪」
マイナポータル連携は、確定申告を楽にする強力な道具ですが、運転を代わってくれる存在ではありません。
- 入力の手間を減らす
- ミスを減らす
- 書類管理を簡単にする
こうした役割を理解したうえで使うことで、確定申告の負担は確実に軽くなります。
次回は、医療費控除とふるさと納税で毎年繰り返される申告ミスを具体的に取り上げます。
参考
- 国税庁「令和7年分所得税及び復興特別所得税の確定申告のポイント」
- 国税庁 マイナポータル連携 解説資料
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
