【第2回】事業所得と雑所得の境界線

副業
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―副業収入の扱いで税額が変わる―

副業を始めるときに最初に直面するのが、「この収入は事業所得になるのか? それとも雑所得なのか?」という問題です。実は、この区分によって課税額が大きく変わり、税務調査でも必ずチェックされる重要ポイントです。

国税庁は副業を「小遣い稼ぎ」と片付けるのではなく、継続性や営利性があるかを厳しく見ています。


事業所得とは

  • ある程度の規模や継続性をもって行う活動から得た所得
  • 営利目的が明確で、反復的に収入を得る仕組みがある
  • 経費を幅広く計上できる(青色申告の特典も受けられる)

具体例

  • 定期的にライティングやデザインの仕事を請け負っている
  • ハンドメイド作品を継続して販売している
  • 投資用不動産を運営し、毎月家賃収入がある

雑所得とは

  • 本業のかたわらで得た臨時的な収入
  • 事業と呼べるほどの規模や継続性がない
  • 必要経費の範囲は限定的で、赤字を他の所得と通算できない

具体例

  • 単発で講演を引き受けた謝礼
  • フリマアプリで不要品を売った収入
  • 趣味で撮った写真を偶然買ってもらった

税務調査で問題になるケース

  1. 本人は「事業」と思っていても、当局は「雑所得」と判断
    → 経費が大幅に否認され、追徴課税につながることがある。
  2. 雑所得として処理していたが、実態は「事業」だった
    → 青色申告ができず、過去にさかのぼって修正申告を求められるケースも。

判断の基準となるポイント

国税庁が見るのは「事業性の有無」です。例えば:

  • 取引の反復継続性
  • 利益追求の意思(収益を上げる工夫をしているか)
  • 業務に投下している時間や労力の程度
  • 専用の設備・仕組みを持っているか

こうした要素が揃っていれば「事業所得」と認められやすくなります。


まとめ

副業収入の「事業所得か雑所得か」は、税金の計算だけでなく、税務調査で最も焦点になる部分です。事業として認められれば青色申告の特典も受けられますが、雑所得扱いになれば経費が限られ、税負担が増える可能性があります。

次回は「第3回:副業で認められる経費とグレーゾーン」をテーマに、副業者が悩みやすい経費の考え方を整理していきます。


👉 本シリーズは、月刊『所長のミカタ』(2025年9月号)の記事を参考にしています。


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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