アクティブETFは、米国ではすでに「ETF市場の主役」のひとつになっています。設定本数は指数連動型を上回り、資金流入も増え続けています。
では、なぜアメリカではアクティブETFが成功したのでしょうか。日本との違いを踏まえながら整理していきます。
1. アメリカの投資文化が後押しした
米国では「投資が生活に根付いている」文化があります。
- 退職口座(401kなど)で株式投資が一般的
- 投資判断に積極的な個人が多い
- 長期的に資産運用を続ける層が厚い
この文化が、テーマ型・積極型のETFに対する需要を支えました。
2. 情報開示の進化で透明性が高まった
アクティブETFは、従来「組み入れ銘柄の開示の難しさ」が課題でした。
しかし米国では、次のような技術が進化しました。
- 組み入れ情報を頻繁に開示
- 半透明構造(Semi-Transparent ETF)などの仕組み
- AIを使った銘柄抽出とリアルタイム開示
透明性が確保されることで、個人投資家にも受け入れられやすくなりました。
3. 運用会社の豊富な人材と実績
米国の運用会社は世界トップクラスのアクティブマネージャーを抱えています。
- PIMCO
- アライアンス・バーンスタイン
- フランクリン・テンプルトン
- フィデリティ
- バンガード(アクティブETFも展開)
これらの会社の信頼度がアクティブETFの普及を加速させました。
4. テーマ株の成長が背景にある
アメリカでは、AI、ハイテク、ヘルスケアなど、世界の成長テーマが米市場に集中しています。
- GAFAM
- 半導体(NVIDIAなど)
- バイオ・医療
- クリーンエネルギー
アクティブETFはこれらのテーマを捉える“効率的な手段”として人気を集めました。
5. 日本との違い
| 要素 | 米国 | 日本 |
|---|---|---|
| 投資文化 | 国民的で積極的 | 慎重で投信依存 |
| 運用者 | 世界的に層が厚い | 一部運用会社に限られる |
| アクティブETFの歴史 | 長い | 2023年に解禁 |
| テーマ株の多さ | 圧倒的に豊富 | 日本株はテーマが限定的 |
ただし、日本でもSBIの参入などをきっかけに大きく変わる可能性があります。
結論
米国でアクティブETFが成功した背景には、「投資文化」「運用会社の層の厚さ」「テーマ株の豊富さ」「技術進化による透明性」があります。日本もこれらの環境が整えば、アクティブETFは今後大きく伸びる可能性があります。
出典
・米国ETF市場資料
・大手運用会社の公開資料
・日本経済新聞 アクティブETF関連記事
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
