【アクティブETF入門】第14回 アクティブETF×日本株市場の未来

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日本の株式市場は、企業の成長力・ガバナンス改善・インフレ定着などを背景に、これまでと異なる局面に入りつつあります。
そこに本格参入するのが、SBIとアライアンス・バーンスタインによる“アクティブETF”です。

本記事では、アクティブETFが日本株市場にもたらす可能性と、今後の「日本株テーマ投資」の未来を整理します。

1. 日本株市場の構造はすでに変化しつつある

かつて日本株市場は

  • 低成長
  • デフレ
  • 企業のROEが低い
  • 投資家に人気がない

という状態でしたが、現在は次のように変わりつつあります。

  • 企業の自社株買いが過去最高
  • 配当性向が上昇
  • 賃上げと物価上昇による売上拡大
  • 半導体・AI関連企業の成長
  • コーポレートガバナンス改革が進展

テーマ型ETFとの相性が良い土壌が整ってきています。


2. 日本株アクティブETFの登場で何が変わるか?

● ① インデックス偏重の投資家に“テーマ投資”が広がる

日本株で人気のある投信は、依然としてインデックスが中心です。
しかし、アクティブETFが登場することで、

  • AI関連
  • 半導体
  • 通信
  • メディア
  • 医療・ヘルスケア
    など、テーマ株へのアクセスが飛躍的に向上します。

● ② 企業の成長力に応じた資金流入が進む

ETFを通じて資金が流れやすくなることで、

  • 成長企業に資金が回る
  • 株価が成長力を反映しやすくなる
  • 市場全体の活性化につながる

という循環が起きる可能性があります。


● ③ 地銀・証券を巻き込んだ販売が拡大

SBI新生銀行・地方銀行が取り扱いを開始すれば、

  • 地域の投資家
  • シニア層
  • 初心者層
    にもアクティブETFが届きやすくなり、日本株テーマがより広がります。

● ④ 海外投資家の注目が高まる

アクティブETFは透明性が高いため、海外機関投資家も利用しやすくなります。

  • 半導体・電子部品
  • 脱炭素・水素技術
  • 医療・創薬
  • 物流DX

こうした分野が国際的な投資資金を呼び込む可能性もあります。


3. 日本株テーマ投資の“有望テーマ”とは?

■ ① 半導体・電子部品

TSMC効果や日本の製造力の強さに裏付けられた拡大テーマ。

■ ② AI活用企業

生成AI・自動運転・産業AIなど広範囲で成長期待。

■ ③ 医療・ヘルスケア

日本は医療関連企業が強く、世界的な高齢化と相性が良い。

■ ④ 通信・ネットワークインフラ

5G/6G需要の拡大。

■ ⑤ GX(グリーン・トランスフォーメーション)

脱炭素、水素、再エネなど政策後押しが強い分野。

アクティブETFは、これらのテーマに“プロによる銘柄選択”を組み合わせることで、個別株よりリスクを抑えながら成長を取りにいけます。


4. 日本株アクティブETFが普及する条件

条件①:商品ラインナップの充実

複数テーマが揃うことで選びやすくなる。

条件②:コストの適正化

信託報酬が引き下げられると普及しやすい。

条件③:販売チャネルの拡大

SBI証券+地銀が鍵。

条件④:投資家の「理解」の浸透

ETFが投信に比べて扱いやすいことが浸透すれば、一気に普及する可能性あり。


5. 日本株市場全体へのインパクト

  • 成長企業への資金流入が増える
  • 企業のガバナンス改善が進む
  • 市場の透明性が向上する
  • 個人投資家の選択肢が広がる
  • 海外資金がテーマ株に入りやすくなる

ETF経由での投資人口拡大は、日本株市場の「質」を押し上げる大きな要因となります。


結論

アクティブETFの登場により、日本株市場はこれまでよりも“テーマ投資”がしやすい環境へと進化します。
SBIの参入は日本株テーマに対する注目を高め、資金の流れを変える可能性があります。

今後数年は、日本株アクティブETFの“黎明期”であり、長期投資家にとっては大きなチャンスとなり得ます。
自分の投資目的に合ったテーマを見極めながら、長期視点で活用していくことが鍵となります。


出典

・日本経済新聞「SBIがアクティブETF参入」
・東証ETF資料
・日本株市場の企業行動データ(自社株買い・配当性向など)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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