「身元保証・葬儀代行」サービスが広がる今、私たちが知っておきたいこと

FP
ブルー ベージュ ミニマル note ブログアイキャッチ - 1

先日、日経新聞に「身元保証・葬儀、事業者が代行」という記事が載っていました。

なぜ「身元保証サービス」が必要なのか…。
高齢化と単身世帯の増加により、入院や施設入所の際に「保証人がいない」という課題が顕在化しているからですね…。
本来は、厚生労働省も「保証人がいないことのみを理由に入院を拒むのは不適切」と通知を出していますが…
現実には医療費や介護費用の未収リスクを恐れる病院や施設が保証人を求めるケースが多いようですね。

その空白を埋める形で登場したのが、身元保証や死後事務まで担う「終身サポート事業者」。
家族が遠方に住んでいたり、子どもに迷惑をかけたくないという理由で、契約する人が増えているようです。

今回は、このあたりを少し考えてみます。

1.サービスの広がりと多様化

日経新聞の記事にあるように、司法書士事務所、介護系法人、地方銀行まで多様な業種が参入しています。

提供内容は幅広く、
・入退院や施設入所の身元保証
・緊急時の駆けつけ
・認知症に備えた財産管理(任意後見契約)
・死亡後の事務(死亡届、年金停止、遺品整理、住居の退去など)
・葬儀・納骨・散骨の代行
など、「人生の最期に関わる一連の流れ」をパッケージ化しているのが特徴です。
ただし、サービスの質や対応範囲は事業者ごとに大きな差があるため、利用者側の目利き力が問われます。

2.利用の注意点とリスク

一見心強いサービスですが、契約時にはいくつかのリスクに注意が必要です。

① 料金体系の不透明さ
・安さの裏に「死後の財産を事業者に遺贈する条件」が潜むことがあります。
・この場合、事業者がコストを抑えた葬儀を選び、本人の希望が反映されない可能性も。

② 小規模事業者の倒産リスク
・長期にわたる契約のため、契約先が将来も存続するかを見極めることが重要です。

③ 相続トラブルの火種
・法定相続人がいる場合、契約内容を家族に知らせず進めると「遺産を事業者に取られた」と争いになることも。
・早めの情報共有がトラブル防止につながります。

3.選ぶときのチェックポイント

利用を検討する際には、次のような観点が役立ちます。

・事業者の実績や母体(司法書士法人や金融機関など信頼度のある組織か)
・料金の内訳が明確か
・契約前に本人の希望(葬儀方法や遺品整理の扱い)が丁寧にヒアリングされるか
・契約書に「死後事務委任契約」や「任意後見契約」が適切に盛り込まれているか
・家族・相続人との連携が想定されているか

4.まとめ

・身寄りがなくても安心できる仕組みとして「終身サポート事業」が拡大している
・しかし、事業者の質は玉石混交で、契約内容次第では本人の希望が反映されないリスクも
・家族や専門家と相談しながら、自分に合った形を選ぶことが安心につながる

「終活」というと遺言や相続の話が中心になりがちですが、実際には生きている間の安心(入院時や介護の手続き)と亡くなった後の安心(葬儀や遺品整理)の両方を備えておくことが大切です。
身元保証サービスは、その橋渡しになる存在です。

ただし「契約して終わり」ではなく、家族や信頼できる人に内容を共有すること、信頼できる事業者を見極めることが何より重要になります。

ということで、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、引き続きよろしくお願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました