税金

税理士

令和8年度税制改正大綱を読む⑧ 基準額見直しが映す「物価時代」の税制再設計

物価上昇が続く中で、長年据え置かれてきた税制上の基準額や閾値の見直しが本格化しています。令和8年度税制改正大綱では、個人所得課税に関係する非課税限度額の引上げが盛り込まれました。マイカー通勤の通勤手当、企業の食事支給、深夜勤務の夜食代、そし...
税理士

第二次納税義務と申告の錯誤無効 ― 公表裁決から読み解く実務上の射程

国税徴収法上の第二次納税義務は、形式上の納税義務者以外に納税責任が及ぶ制度です。特に「実質課税額等の第二次納税義務」は、グループ法人や親族間取引が絡む場面で問題となりやすく、実務上の緊張感が高い分野といえます。令和7年6月16日付の公表裁決...
税理士

ひとり税理士が提供できる中小企業ガバナンス支援モデル―顧問から“設計者”へ

中小企業のガバナンスは、制度の豪華さではなく、設計の精度で決まります。しかし現実には、経営者は忙しく、社内に専門人材を置く余裕もありません。そこで鍵になるのが、外部専門家の役割です。ひとり税理士は、規模では不利でも、機動力と専門性、そして経...
FP

負動産時代の相続設計―所有から整理へという転換点

国が「負動産」の随意契約による処分を可能にする方針を示しました。相続土地国庫帰属制度の開始、空き家特例との整理、そして人口減少社会の進行。これらは個別政策の話ではありません。土地所有の前提そのものが転換点にあることを示しています。本シリーズ...
FP

土地所有は再設計できるのか―人口減少社会における制度転換の方向性

国が「負動産」の処分を促進する方針を示しました。空き家特例と国庫帰属制度の整理を通じて見えてくるのは、個別の税制や手続きの問題ではありません。本質は、「土地所有の前提が変わりつつある」という点にあります。高度成長期の制度設計は、人口増加・地...
FP

空き家特例と国庫帰属制度は両立するのか―負動産処理の制度交錯を読む

相続した実家を売却するとき、一定の要件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除できる、いわゆる「空き家特例」があります。一方で、相続土地国庫帰属制度は「売れない土地」を国に引き取ってもらう制度です。両制度は、どちらも人口減少社会に対応する...
FP

負動産と相続税評価―“価値がない土地”の税務実務

国が引き取る「負動産」の処分促進が議論されています。しかし実務の現場では、より切実な問題があります。それは、「売れない土地にも相続税評価は付く」という現実です。市場で流通しない土地であっても、相続税の世界では評価が行われ、税額に影響を与えま...
FP

国の「負動産」処分促進から考える―所有の責任と制度設計の転換

2023年4月に始まった相続土地国庫帰属制度により、相続人が引き継ぐ意思のない土地を国が引き取る仕組みが動き出しました。しかし制度開始から間もなく、想定以上に国の管理負担が増大しています。2026年2月、財務省は、国が引き取ったいわゆる「負...
FP

「年収の壁」は本当に壁なのか ― 週20時間時代の社会保険をどう設計するか

物価上昇や人手不足を背景に、パートや短時間労働の働き方が見直されています。そのなかで改めて注目されているのが「年収の壁」です。特に社会保険の加入基準は、今後さらに拡大される方向にあります。従来の「106万円の壁」という理解だけでは、もはや実...
政策

予算成立と消費税減税をどう読むか――官邸主導時代の税制設計

2026年度予算案の年度内成立が焦点となっています。衆院での3月13日通過が第一関門とされ、審議時間の短縮案も取り沙汰されています。一方で、食料品の消費税ゼロをめぐる議論も本格化しました。首相は秋の臨時国会での法案提出に意欲を示し、党税調は...