補助金、各種届出、行政への申請。
中小事業者にとって行政手続は「必要だけれど分かりにくい」「毎回調べ直すのが大変」という存在になりがちです。
こうした課題を背景に、デジタル庁は、事業者向けの新たなポータルサイト「Gビズポータル」を整備し、令和8年3月にアルファ版をリリースする予定です。
本記事では、中小事業者の立場から「何がどう変わるのか」をできるだけ具体的に整理します。
これまでの行政手続の何が大変だったのか
従来の行政手続には、次のような悩みがありました。
・制度や補助金の情報がどこにあるのか分からない
・省庁ごとにサイトが違い、探すだけで時間がかかる
・書類の提出方法が手続ごとに異なる
・専門家とのやり取りがメールや郵送に分散している
結果として「本来使える制度を知らないまま終わる」というケースも少なくありませんでした。
Gビズポータルでまず変わること
Gビズポータルは、事業者向けの行政手続をまとめて扱うためのポータルサイトです。
最大の特徴は、入口が一本化される点にあります。
これにより、
・どんな行政手続があるのか
・どんな補助金が使えるのか
を、まとめて探せるようになります。
補助金や手続を「まとめて探せる」
Gビズポータルでは、各省庁が所管する行政手続や補助金情報を横断的に検索できる仕組みが導入されます。
これまでのように「経産省のサイト」「厚労省のサイト」と個別に探す必要がなくなり、制度の見落としを防ぎやすくなります。
申請準備はGビズIDで一本化
申請や書類管理は、既に多くの事業者が利用しているGビズIDを使って行います。
手続ごとにIDやパスワードを管理する必要はなく、
「事業者としての共通アカウント」で申請準備を進められる仕組みです。
書類のやり取りが変わる電子ロッカー
中小事業者にとって特に影響が大きいのが、電子ロッカー機能です。
この機能では、
・事業者
・税理士や行政書士などの士業
・行政機関
の間で、申請に必要な書類をオンライン上で共有できます。
これまでのような
「メールに添付」「紙で郵送」「どの書類を送ったか分からない」
といった混乱が減り、やり取りが一か所に集約されることになります。
チャット機能で確認・修正がスムーズに
電子ロッカーにはチャット機能も用意される予定です。
書類の不足や修正点について、
「どこを直せばいいのか」「最新版はどれか」
といったやり取りを、ポータル内で完結させることが可能になります。
アルファ版は「お試し段階」と考える
令和8年3月にリリースされるのはアルファ版です。
当初は使える機能や対象となる手続が限定されると考えられます。
ただし、マイナポータルと同様に、段階的な拡充が前提とされており、将来的には事業者の行政手続の基本的な入口になることが想定されています。
結論
Gビズポータルによって、中小事業者の行政手続は
「探す場所がバラバラ」
「書類のやり取りが分散する」
という状態から、一か所に集約される方向へ進みます。
すぐに全てが変わるわけではありませんが、
「行政手続はデジタル前提になる」
という流れは確実に進んでいます。
今後に備え、GビズIDの活用や専門家との役割分担を見直すきっかけとして、この動きを押さえておくことが重要です。
参考
・税のしるべ(2026年2月2日)
・デジタル庁公表資料(Gビズポータル関連)
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。

