〜結婚・出産・介護とキャリアをどう両立するか〜
人生100年時代、私たちの前には数多くのライフイベントが訪れます。
- 結婚
- 出産・育児
- 子どもの教育
- 親の介護
- 自身の健康問題
これらは人生の大切な節目であると同時に、キャリア継続を左右する試練でもあります。特に共働きのパワーカップルにとっては、二人のキャリアをどう維持するかが大きなテーマとなります。
出産・育児とキャリア
かつては女性が出産を機に退職するケースが一般的でした。しかし現在は、夫婦共に働き続ける意識が高まっています。マイナビの調査では、結婚後も共働きを希望する学生は72.1%。若い世代ほど、男女を問わず「仕事を続ける」ことを前提に考えています。
そのためには次のような工夫が欠かせません。
- 育児休業制度の活用(男女ともに)
- 在宅勤務やフレックス制度の柔軟な利用
- 家事・育児の外注化(ベビーシッター、家事代行)
「キャリアを途切れさせない」ことが、長期的には家計の安定と老後資金形成につながります。
親の介護と働き方
40代以降になると直面するのが「親の介護」です。介護離職という言葉があるように、仕事を辞めざるを得ないケースも少なくありません。
ここでも共働き夫婦にはメリットがあります。
- 収入源が2本あることで介護サービスを活用できる
- どちらかが一時的に休業しても家計が持ちこたえやすい
- 介護費用を「貯蓄や投資で事前準備」できる余裕
さらに、介護保険外サービスや地域の支援制度を活用すれば、キャリアを守りつつ介護と両立する道が広がります。
転勤という壁
日本型雇用の慣行として根強い「転勤制度」は、共働きにとって大きな壁です。配偶者が仕事をしていないことを前提とした制度は、すでに制度疲労を起こしています。
今後は、
- リモートワークを前提としたキャリア形成
- 転勤ありきの働き方からの脱却
- 勤務地限定制度や副業制度の活用
といった改革が不可欠です。これは個人の工夫だけでなく、企業の意識改革にも関わる問題です。
共働きは「キャリアの保険」
ライフイベントの連続は、時に夫婦どちらかのキャリアにブレーキをかけます。しかし、共働きであれば「キャリアの保険」が効きます。
- 一方が仕事でブレーキを踏んでも、もう一方が収入を支える
- キャリアの再出発も「夫婦で分担」することで挑戦しやすい
こうした柔軟性が、長寿社会を安心して生き抜くための大きな力になるのです。
まとめ
パワーカップルの真価は、単に「稼ぐ力」だけではありません。
- 出産・育児
- 介護
- 転勤
といった人生の大きなイベントを「夫婦二人で支え合い、キャリアを守る」点にあります。
人生100年時代において、共働きは家計の安定だけでなく、ライフイベントを乗り越えるための最大の戦略なのです。
📌参考:2025年9月7日付 日本経済新聞朝刊
という事で、今回は以上とさせていただきます。
次回以降も、よろしくお願いします。
