スタートアップにこそ求められる「企業統治」という成長基盤

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スタートアップ支援や新産業への投資が活発化する中で、成長期待の高い企業による不祥事が後を絶たない状況が続いています。
事業としては順調に見えても、ひとたび問題が顕在化すれば、社会的信用を一瞬で失い、事業継続そのものが危うくなる例も少なくありません。
こうした事態の背景にあるのが、企業統治、いわゆるガバナンスの不全です。スタートアップだからこそ、なぜ企業統治が不可欠なのかを整理します。

スピード重視とガバナンス軽視の危うさ

スタートアップは迅速な意思決定と実行力が競争力の源泉とされます。そのため、制度整備や内部ルールは後回しにされがちです。
しかし、スピードを優先するあまり、牽制や確認の仕組みが弱い状態が続くと、経営判断が独善的になり、リスクが見過ごされやすくなります。
創業者のカリスマ性が強い企業ほど、異論が出にくく、問題が表面化しにくい点にも注意が必要です。

形だけの制度では不祥事は防げない

社外取締役の設置や内部統制の導入といった制度面の整備は重要です。しかし、制度を置いただけでは十分とは言えません。
実際には、それを理解し、日常業務の中で機能させる人材がいなければ、制度は形骸化します。
問題の本質は、ガバナンスを実践できる人材、いわばガバナンスリテラシーを持つ人材の不足にあります。

「少数の専門家」ではなく「組織の多数派」へ

ガバナンスは、一部の専門家や管理部門だけが担うものではありません。
社外の指摘や内部監査があっても、現場の多くが問題意識を共有していなければ、是正は進みにくいのが現実です。
多数の社員が違和感に気づき、声を上げられる状態をつくることが、不祥事を未然に防ぐ最大の防波堤となります。

ガバナンス教育が企業文化をつくる

その基盤となるのが、ガバナンス教育です。
過去の不祥事をケースとして学び、なぜ問題が起きたのかを考えることは、単なる知識習得にとどまらず、判断力を養います。
内部統制やコンプライアンスを体系的に学ぶことで、ガバナンスは特別なものではなく、日常の業務判断の一部として根づいていきます。
こうした教育の積み重ねが、人材の裾野を広げ、健全な企業文化を形成します。

結論

企業統治は、不祥事を防ぐための守りの仕組みではなく、持続的成長を支える攻めの基盤です。
ガバナンスリテラシーを備えた人材が多い企業ほど、投資家や社会からの信頼を得やすく、成長機会も広がります。
スタートアップにとって重要なのは、問題が起きてから制度を整えることではなく、教育を通じて統治感覚を組織全体に浸透させることです。
それこそが、成長と信頼を両立させる最も確実な道と言えるでしょう。

参考

・日本経済新聞「スタートアップ、企業統治が必須」
 アビタス教育総研 主任研究員 毛利弘通(2026年2月10日朝刊)


という事で、今回は以上とさせていただきます。

次回以降も、よろしくお願いします。

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